2026/06/18 08:09

こんにちは、THE GINGER です。

ふだん何気なく使っている生姜ですが、実は昔のヨーロッパで、"羊一頭"と同じ値段で取引されていた時代があるのをご存じですか?

今日は、毎日の一杯の背景にある、生姜の歩みを、肩のこらない読み物としてご紹介します。


なぜ、そんなに高価だったの?

中世のヨーロッパで、生姜はとても貴重なものでした。
14世紀のイングランドでは、生姜1ポンド(約450g)が羊一頭にも匹敵する値段だったと伝えられています。

というのも、生姜はもともと、遠い東の国でしか採れないもの。
はるばる海を越え、いくつもの商人の手を渡って届くうちに、値段はどんどん上がっていきました。

こうして生姜は、王家や貴族だけが口にできる、富と権力の象徴になっていったんです。


王さまも頼った、生姜

生姜がどれほど特別だったかを物語る、こんな逸話も残っています。

16世紀イングランドの王、ヘンリー八世。
彼は、当時人々に恐れられた流行り病(ペスト)への備えとして、生姜をすすめたと言い伝えられています。
王がわざわざ口にするほど、生姜は「特別なもの」として信頼を集めていたのですね。

ちなみに、生姜をかたどったお菓子「ジンジャーブレッドマン」は、エリザベス一世が宮廷で客人への贈り物として配らせたのが始まり、とも言われています。

香り高い生姜は、ごちそうであり、もてなしの心そのものでもあったのですね。


やがて、暮らしのそばへ

大航海の時代になると、生姜をめぐる風景は変わっていきます。
生姜の苗は船に積まれてカリブ海の島々へ運ばれ、現地で育てられるようになりました。

遠い東からの輸入に頼らずに済むようになると、値段はやわらぎ、生姜はようやく、ふつうの暮らしのなかへ。
かつて羊一頭ぶんだった香りが、いつのまにか台所のいい匂いに。

生姜は「特別なもの」から「暮らしの中にあるもの」へと、姿を変えていきました。


東洋でも、愛されてきた

生姜が大切にされたのは、ヨーロッパだけではありません。

中国では古くから、生姜は漢方の生薬(しょうやく)のひとつとして用いられてきました。
日本でも、すりおろして薬味にしたり、寒い日に生姜湯であたたまったり。
生姜は、食と暮らしの知恵として、長く親しまれてきた素材です。

東でも西でも、それぞれの土地で、人は生姜の香りと力に寄り添ってきました。


毎日の一杯で

かつては羊一頭と同じ値段だった生姜も、いまは毎日の一杯で、気軽に楽しめます。

〈THE GINGER〉が選んだのは、国産・有機の生姜。
長い旅をしてきたこの香りを、今日のあなたの一杯に、そっと役立てていただけたら嬉しいです。